「月に水氷なし」〜月周回衛星「かぐや」、搭載地形カメラの成果を米科学誌で発表
地形カメラの観測機器チームは、水氷の存在が示唆されていた“南極シャックルトンクレータ”内の永久影領域の撮像、詳細な3次元立体視画像の作成を世界で初めて行うとともに、当該部分の地表付近に氷が存在する証拠が見られなかったことを明らかにした。
シャックルトンクレータは、南緯89.9度、東経0.0度の月の南極近くに存在する直径21kmのクレータ。南極点近くに存在するため、ほとんど日光が当たらず、内部には永久影が存在する。永久影は、極低温となるため、水氷の存在の可能性が示唆されていた。
今回サイエンスに掲載された地形カメラの論文によると、シャックルトンクレータの内部には、水氷と見られる高い反射率の場所は存在しなかった。このため、クレータ底部の表面付近には、水氷は露出した形で大量に存在する可能性はないとのこと。また、地形カメラの観測データからシャックルトンクレータ内部の詳細な3次元立体視画像の作成にも、世界で初めて成功。この結果、斜面の角度は30°、クレータの深さは4.2kmに達すること、直径6.6kmの同心円状の平底があること、斜面にはいくつかの小クレータがみられること、中央には2〜300mの小丘があり、クレータ斜面にむかって丘陵が続くこと、ならびに周りの斜面から、崩れてきたと思われる堆積物とみられる部分もあることが判明した。
なお、今後は、同様の解析を他の永久影が存在するとみられている極付近のクレータについても実施していく予定となっている。
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