「iBurst」は5MHz幅でもサービスが提供できる高い周波数利用効率

2008年7月9日(水) 22時44分
 2GHz帯での展開を狙う「iBurst」。最大の特徴は、周波数効率が高く帯域幅が5MHzでもサービスが提供できることだ。国内で開発を進める京セラの通信機器関連事業本部 システム第1技術部 副部長 兼 ブロードバンド技術責任者の小山克志氏がアピールする。の画像
 2GHz帯での展開を狙う「iBurst」。最大の特徴は、周波数効率が高く帯域幅が5MHzでもサービスが提供できることだ。国内で開発を進める京セラの通信機器関連事業本部 システム第1技術部 副部長 兼 ブロードバンド技術責任者の小山克志氏がアピールする。
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 2GHz帯での展開を狙う「iBurst」。最大の特徴は、周波数効率が高く帯域幅が5MHzでもサービスが提供できることだ。国内で開発を進める京セラの通信機器関連事業本部 システム第1技術部 副部長 兼 ブロードバンド技術責任者の小山克志氏がアピールする。の画像
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 2GHz帯での展開を狙う「iBurst」。最大の特徴は、周波数効率が高く帯域幅が5MHzでもサービスが提供できることだ。国内で開発を進める京セラの通信機器関連事業本部 システム第1技術部 副部長 兼 ブロードバンド技術部責任者の小山克志氏がアピールする。

 「一般的には30MHzから40MHzの帯域幅がないと無線サービスは提供できないが、5MHzで済むのはiBurstだけ」。すでにサービスを開始している国は、GSMの携帯電話を採用しているところが多い。GSMでは上下の通信で異なる周波数帯を用いており、この間には混信を防ぐための空白「ガードバンド」を設けている。「GSMは20MHzのガードバンドがある。ほかの無線システムだと入れないが、iBurstだと5MHzだから入れる」とメリットをアピールした。

 iBurstは日本国内において2GHz帯の獲得を目指している。「日本の2GHz帯はわずか15MHzしかない。この帯域でサービスをできるのは限られるが、5MHzしか使わないシステムのため可能性が高いのではないか」と自信を見せた。

 iBurstの通信速度だが、最大下り2Mbpsで、一見すると最大で数十MbpsのHSDPAやモバイルWiMAXと比べると見劣りする。しかし、iBurst用基地局の通信容量は最大下り24Mbps/上り8Mbpsもある。複数のユーザが同時に接続しても「1人あたり1Mbps程度の速度を確保したい」という考えのためだ。

 なお、一般的にHSDPAやモバイルWiMAXなどの最大通信速度は、1つの基地局に1台の端末しか接続していないときの理想値だ。しかしiBurstの最大通信速度は、1つの基地局に20台程度を接続したときの理想値となる。“最大通信速度”といっても両者は前提とする条件が異なり、iBurstの方が実環境にあった値と言えるだろう。

 このように割り切ることでiBurstに「SDMA」(空間多重)が採用できた。これは、1つの基地局が同じタイミングで同じ周波数を使って複数の端末と通信ができるという技術。iBurstでは、アダプテイブ・アレイ・アンテナ技術を用いることでSDMAが実現できた。これにより、周波数の使用効率が3倍になる。なお、SDMAやアダプティブ・アレイ・アンテナ技術は、ウィルコムの次世代PHS「WILLCOM CORE」でも採用する。

 ほかにも、時間分割技術の「TDD」と「TDMA」、5MHzを8波に分割する「FDMA」を採用する。変調方式は、10ミリ秒間隔で電波状況を監視し変調方式を切り替える「アダプティブ・モジュレーション方式」を取り入れた。「変調方式が高くなるとデータを送るスピードが上がるが、ノイズに弱く切れやすい。低い変調クラスだと、データが遅いが切れにくい。1つのクラスに固定をすると、切れやすかったり、スピードが出ないのでアダプティブ・モジュレーション方式を採用した」とする。

 iBurstでは、これらの技術を組み合わせて周波数の利用効率を上げている。その結果、理論上は6.47bit/sec/Hz/cellということになる。この理論値は基地局が1つしかない場合だ。基地局が19、基地局間隔は1km、1セルあたりのユーザを24などと設定した総務省のシミュレーションでは、「ダウンリンクでは3.5(bits/sec/Hz/sector)、アップリンクは2.3、平均3.1ということで、理論値に比べて50%が維持できる。ほかのシステムでは20%〜30%に落ちるので、iBurstは実サービスでも周波数効率が高い」と自信を見せた。

 国内では、iBurstを採用した固定系のデータ通信をCATV事業者が提供する可能性がある。固定系WiMAXと同じようなパターンだ。固定系のWiMAXの提供に関しては、多くのCATV事業者などが名乗りを上げているが、「固定系WiMAXは40社、これでもCATV事業者の10分の1。まだまだお客さんがいる」とする。
《安達崇徳》
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