【短期集中連載】この夏「買い」のパソコンをチェック!(Vol.1)〜HP mini〜これは6万円のミニノートではない!?〜
5月21日、従来とは一線を画すファッションショー形式で華やかに発表された日本HPのミニノートPC「HP 2133 Mini-Note PC」(HP mini)。一見してわかる優れたデザインと、実売価格が5万9850円からというコストパフォーマンスで早くも話題になっている。発売開始時には、すぐに完売となっており、次の販売は中旬を予定しているという具合だ。
10インチ以下のミニノートが市場で急成長をしているのは周知の通りだが、同社の調査では、ユーザーはこのサイズでもフルファンクションを求めているという。そこでこのHP miniもコンパクトでありながらデスクトップの代替としても使えるフルファンクションを追求。喉から手が出るほどチェックしてみたいと感じる人もいると思うので、詳しくレビューをしていきたい。(タレント・原理恵子さんのレポートは関連記事のビデオニュースを参照)
●思わず迷いそうな2モデル。CPUクロックとWebカメラの有無に注目しよう
まず、バリエーション的な前置きから。HP miniには「スタンダードモデル」と「ハイパフォーマンスモデル」の2つが用意されている。違うのはCPUのクロック数と搭載メモリやHDDの容量、Webカメラの有無といったところ。スタンダードモデル/ハイパフォーマンスモデルでは、それぞれCPUがVIA社の「C7-M ULV」の1.2GHz/1.6GHz、メモリが1GB/2GB、HDDが120GB/160GB。実売価格は5万9850円と7万9800円だから約2万円の違いとなる。
メモリは増設すればいいし、HDDの容量も40GB程度の違いなら外付けなどで対応できると思う。ポイントとなるのは400MHzの差があるCPUのクロック数と、増設がしにくいWebカメラの有無。Skypeなどを多用する人には迷わずハイパフォーマンスモデルを選ぶべきだろう。今回、手元に届いたのはハイパフォーマンスモデルのほう。オプション扱いの6セルのバッテリも付属していた。
●この質感、6万円のミニノートじゃありませんっ!
いずれのモデルを選んでも、Webカメラ以外の外観上の違いはない。以下、見ていきたいと思う。
まず外観上で目を引くのがシンプルであるということ。天板中央に配置された「hp」というロゴもひかえめで、まるでビジネス用の小さなアルミケースといった印象だ。外側はフルアルミ。表面にはキズが付きにくいようにアルマイト処理とヘアライン加工が施されている。細かいことだがヒンジ部分も鏡面仕上げ。デザイン面は文句なしだ。20万円以上するモバイルPCでも、ここまで質感が高い製品はそうはないだろう。
側面も張り合わせるタイプではなくて、天板や底板がそのまま囲むタイプ。そのせいで四隅は丸みを帯びているのだが、これがまた上品な雰囲気を醸し出している。強度を確保できる構造とデザインの両立が上手にできていると感じた。
搭載される液晶ディスプレーは8.9インチ。その両側にはさりげなくスピーカーが埋め込まれていている。音は最大ボリューム近くまで上げるとかなり大きい。通常使用ではヘッドフォンを使うことのほうが多いのかもしれないが、スピーカーもきちんと鳴らすことができるというのは覚えておいていいだろう。ディスプレーの表示解像度は1280×768ドットで、このサイズとしては十分すぎるほどだ。なお、液晶ディスプレーは開くと後ろに倒れ込むようなタイプで、高さを抑え込んでいる。飛行機などの狭い場所でも快適に使えるように配慮したとのことだ。
電源スイッチは本体前面の左側。スライドさせて入れるタイプだ。LEDカラーは最近主流のブルー。ところがHPの製品は「青」というよりも淡い「水色」。筆者としてはこの水色が目に優しくてとても気に入っている(無線LANのほうのLEFは青)。
●英字キーボードに独自配置のタッチバッド
HP miniの特徴のひとつが、英字キーボード。同社は英字の採用理由に、かな入力するユーザーが少ないこと、筐体が小さいので日本語キーにするとキーの数が増えることなどを挙げている。確かに多くのユーザーはローマ字入力をするので、それほど問題にはならないだろう。日本語入力環境ではキーボード左上にある「半角/全角」キーがなくなっているが、これは「Shift」+「Capslook」キーで代用。慣れれば別に問題ないレベルだった。キーストロークは2.0mmあって、打鍵もかなり軽快に行なうことができる。「BackSpace」キーが大きいのは嬉しいのだが、個人的には「Enter」キーがもう少し大きいとよかったと思う。
また、HP miniではタッチバッドにもひと工夫。コンパクトさを追求するためにパームレスト部の幅が狭いのだが、マウスの左右クリックを担当するキーがタッチパッドの下側ではなくて左右に分離しているのだ。もちろん最初は戸惑ったが、使っているうちにあることに気づいた。それは、左右の指を使うということ。通常の使い方だとどうしても利き手だけで操作してしまいがちだが、左クリックには左指、右クリックには右指ときちんと分けて使えるようになるとグッと快適度が増す。慣れると素早く使えるようになった。
タッチパッドのすぐ上には、タッチバッドの機能をオフにするボタンも設置。キーボードを多用する人や、本体がコンパクトなので誤動作を防止することへの配慮だろうが、なかなか気が利いていると思った。
●通好みなCPU。実用域では使えるのか?
フルファンクションを目指したという話で気になるのが、やはり実用的に耐えられるかという点。CPUはC7-M ULV。TDPは10W以下とかなり通好みなセレクションであるのだが、ノートPCによく使われるインテルのCore 2 Duo Tシリーズや、AMDのTurion X2シリーズなどに比べと劣るのは否めないだろう。
ところが実際に使ってみると、ウィンドウの表示などはストレスを感じないで済んだ。起動も思ったよりも早い。どうやらCPUと同じくらい体感的なパフォーマンスに影響を及ぼすHDDの性能がいいようだ。HP miniに採用されるHDDはSerial ATAの5400rpm。落下を検知するセンサーも付いているので最新タイプだ。つまり、HDDはほかの最新ノートPCと同レベル。サウスブリッジはもう自作ユーザーおなじみの「VT8237S」なので、信頼性は抜群といったところか。
さすがにハードに画像処理をするだとか、映像のエンコードをかけるような用途には向かないが、WordやExcel、インターネットなどの通常使用では問題ない。ビデオメモリは「VIA Chrome 9」で、最大で256MBが割り当てられるようになっており、こちらも健闘しているほうだろう。トータルパフォーマンスは十分といった感じだ。
●コンパクト、フルファンクション、コストパフォーマンス。3拍子が揃った文句なしの買いモデル
インターフェースは、右側面にLANとUSB×1、PCカードスロット、カードリーダー。左側面にUSB×1とヘッドフォン、そして外部ディスプレー用端子(D-sub15)。必要最低限のものがシンプルにまとめられているという感じである。外部ディスプレー端子が付いているのはビジネス用途までを想定してのことだろうが、「フルファンクション」という点にこだわった結果かもしれない。いずれにしても嬉しい装備ではないだろうか。
バッテリは標準だと3セル。カタログスペックは2.3時間になっていたが、実用的には1.5時間程度。ちなみにハイパフォーマンスモデルには6セルバッテリが標準でついてくる。差し替えるのは面倒だが、バッテリの持ち時間はこれでほぼ解消するだろう。
OSはスタンダードモデルが「Vista Home Basic」、ハイパフォーマンスモデルが「Vista Business」となっている。XPモデルは用意されていないが、ダウングレードすることで対応する。ドライバなども順次提供していくという。
正直、どうしてこれが6万円以下で出せるのか不思議ですらあるのだが、そこは世界シェアは6期連続ナンバーワンの「HP」というブランドが成せる業。実はこのHP miniは北米や日本以外のアジア圏でも出荷されているのだが、グローバルに展開してコストを下げるという努力をしているのだ。製品保証もどの国でトラブルになっても大丈夫なグローバルワランティ。ビジネスマンでも安心して使える仕様となっている。
というわけで、このHP miniはいずれのモデルでも価格以上の価値があると思う。特に外観の美しさは見事で、ぜひ手に取って感じてもらいたいと思うほど。秋からはオリジナルステッカーのサービスも住友スリーエムと提携して行なうというアナウンスもあり、所有感を満たしてくれる条件もいろいろと揃ってくるだろう。個人的なチョイスでは、省電力性を重視してクロックの低いスタンダードモデル。OSをXPにダウングレードすれば1GBのメモリでもアプリも快適なはず。こういう使い方もできてしまいそうな窓口の広さもまた魅力だ。
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