富士通、インパルス無線伝送方式で70〜100GHz帯パルス送信器の開発に成功
伝送容量が10Gbpsを超える無線伝送には、商用無線局が少なく広い周波数帯域を確保しやすいミリ波帯(30〜300GHz)が有効で、なかでも70〜100GHz帯は大気吸収による電波の減衰が少ない領域であり、数キロメートル以上の伝送が可能となる。しかし、70〜100GHz帯で動作する電子部品は単機能品が多く、小型化が進んでいなかった。そのため短パルス発生器と送信増幅器のわずか2部品で送信部(ミリ波帯パルス通信用送信器)を構成できるインパルス無線伝送技術の開発が求められていた。
インパルス無線伝送技術は、約100年前にマルコーニが商用化した火花放電式無線と原理的には同じで、極短い時間に変化するパルス信号を発生させ、フィルターを用いて使用周波数成分のみを抽出して送信する伝送技術である。
富士通と富士通研究所では、高速性能に優れたインジウムリン系高電子移動度トランジスタ技術を用いて、デジタル回路をベースとする短パルス発生器を開発した。その結果、世界最高性能となる半値幅7.6ピコ秒の極短パルスの生成に成功し、100GHz以上のエネルギーが分布することを確認したという。あわせて高周波性能にすぐれ入手性が良いアルミナ基板上に多段結合線路型フィルターを形成し、ミリ波帯インパルス無線に必要な性能を得ることに成功した。これにより、インパルス無線伝送方式としては世界初となる、10Gbpsを超えるパルス信号の生成を確認された。
将来的には、光ファイバーの代替となる大容量伝送能力を持つ無線システムとして、基幹回線、河川・道路横断用回線、離島通信、災害時通信など、さらには室内超高速無線LAN、高分解能レーダーなどでの利用が見込まれるという。
なお、この技術の詳細は、6月15日〜20日、米国アトランタで開催されているマイクロ波の国際学会「2008 IEEE MTT-S International Microwave Symposium(IMS2008)」にて発表された。
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