【導入事例】世界中の鉱山や建設現場でBlackBerryを活用——オリカジャパン
■世界をリードする産業用爆薬No.1メーカー
オリカジャパン株式会社は、オーストラリアに本拠を置くマイニングサービスと化学薬品製造などを行う企業Orica社の日本法人である。マイニングサービスとは、主に鉱山やトンネル、各種プラント建設など、いわゆる“発破”工事が必要な現場で使われる産業用爆薬および装薬や採石に関する技術ノウハウを提供するものだ。また、化学薬品分野においては、水処理などに使われる化学薬品の製造でも広く知られている。
Orica社は、世界130ヵ国以上でビジネスを展開し、ワールドワイドで1万5,000人前後の従業員を擁する世界企業であり、同社のマイニングサービスのシェアは、中国を除けば、約6割にも達するという業界のリーディングカンパニーである。そんなOrica社には、他の爆薬メーカーにはない大きな強みがある。それは現場での装薬ノウハウを自社で抱えているという点だ。単に爆薬を製造して販売するだけではなく、同社のスタッフが実際に現場まで赴き、効率的な発破工事を行うための装薬も行う。こうした実践的なノウハウが高く評価され、同社はシェアを着実に伸ばしている。
オリカジャパンは、Oricaグループの中で、日本国内および、韓国や東南アジア地域のビジネスを手がけている。日本国内では、主にセメント材料となる石灰石の採掘やトンネル工事の現場が同社の活躍するフィールドだ。たとえば、2004年に火薬類取締法一部改正され特定硝酸アンモニウム系爆薬の移動式製造設備が認可されたことを受け、オリカジャパンでは、三菱マテリアル東谷鉱山(北九州市小倉)において、日本で初めての移動式製造設備による爆薬の現場製造・装薬を行うなど、新しい試みにも積極的に取り組んでいる(写真)。また、日本のゼネコンが海外での事業を受注した場合も、同社が発破工事を請け負うケースも多いという。
■ ワールドワイドで約2,000台のBlackBerryデバイスを運用
現場での装薬ノウハウの蓄積は、同社の強みとなる一方で、現場スタッフとの連絡や情報共有が難しくなる。鉱山やトンネル工事の現場は、必ずしもインターネット接続環境が整備されているわけではないからだ。すべてが携帯電話による音声通話で行えればよいが、山間部や坑道内では電波が届かない場合もあり、メールやSMS(ショートメッセージサービス)を利用せざるを得ないケースも多い。そうした背景もあり、豪Orica社ではBlackBerry用のサーバを3台稼働させ、ワールドワイドで約2,000台の端末を運用中だ。マネージャークラス以上は、常にBlackBerryデバイスを持ち歩き、世界中の現場から連絡を取り合っているという。
オリカジャパンでは、ドコモがBlackBerryデバイスの国内サービスを開始した2006年9月当初から8707hを導入し運用中だ。BlackBerryデバイスは、各種の設定やセキュリティポリシーなどをサーバ側から一括して設定可能なため、オリカジャパンでの導入に際しても、設定はオーストラリア本社のサーバから行った。そのため「導入へのハードルは低かった」(安藤氏)という。安藤氏と笠井氏も、それぞれ常に持ち歩いているという。そこで、具体的な使用感を両氏にうかがってみた。
■ 世界中を飛び回り英文メールを打つのに最適!
安藤氏はBlackBerry 8707hスマートフォンの魅力として「英文メールの打ちやすさ」と「時差の解消」をあげる。オーストラリア本社との連絡やアジア地域の取引先との間で連絡を取り合うことの多い安藤氏にとって、英文メールを利用する機会は多い。「日本の携帯電話は日本語のメールは打ちやすいが、英文は非常に打ちにくい。その点BlackBerryはインターフェイスが非常によく考えられており、英文入力時にストレスを感じない」と、同端末の英文入力の効率の良さを高く評価している。2007年7月からは日本語入力にも対応した。
世界中を飛び回り、1カ月に20回近く飛行機に乗ることもあるという安藤氏は、飛行機を降りたらすぐにメールをチェックし、折り返し連絡が必要な内容であれば、相手との時差を考慮して、メールや音声通話により連絡を取る。「いちいちホットスポットを探したり、ノートPCを広げたりする必要がなく、非常に便利」だという。また、たとえ日本国内にいるときでも、時差のあるオーストラリアの本社との連絡は、音声によるリアルタイムな通話よりも、メールやSMSを利用したほうが効率がよいとのことだ。夜中にメールチェックをしなければならない場合も、わざわざノートPCを持ち帰ったりせず、8707hをポケットに入れて帰宅すればよいのだ。
安藤氏は、そのほかにもスケジュール管理とアドレス帳を活用している。会社のPCからLotus Notes/DOMINOにスケジュールやアドレスを入力しておき、外出先からBlackBerryデバイスで参照するという使い方だ。さらに、Webブラウザでオーストラリアの本社のイントラネットポータルにアクセスし、最新の人事情報やシェアプライスを確認することもあるという。
■ インターネット接続環境のない現場からメールを
実際に現場に赴くことも多いという笠井氏にとってBlackBerry 8707hスマートフォンは重宝しているという。採石場やトンネル工事のような現場にノートPCを持っていってもインターネットに接続できないケースは多い。しかし、BlackBerryがあれば、そうした環境下でも会社のメールの読み書きが行える。現場までの移動時間も含めれば、かなりの時間が無駄にならずに済むことになる。
QWERTY配列のフルキーボードを搭載した8707hの形状についてはどうだろうか。笠井氏は、フルキーによる英文入力のしやすさを認めつつも「もう少しスリムにして片手で操作できれば、もっと使いやすい」と感じているそうだ。確かに、横幅については、日本人女性の手の大きさには、やや余るサイズかもしれない。さらに重量についても、もう少し軽いほうがよいと感じているそうであるが、140gという重量は決して重い部類ではない。推察するに、これは視覚的なマイナス効果が大きいのではないだろうか。日本ではまだ販売されていないが、BlackBerryの端末にはキー数を減らしてスリムにしたBlackBerryPearl8100シリーズも存在している。そちらの販売にも期待したいところだ。
また、笠井氏は土日や夜中でも、PCに向かうことなく会社のメールが読み書きできることに魅力を感じる反面、仕事がプライベートな時間にまで割り込んでくることを懸念しているという。安藤氏は、その点で、8707hの自動電源ON/OFF機能を活用してメリハリを付けている。つまり、あらかじめプライベートの時間を決めておき、その時間は自動的に電源をOFFにするよう設定しているのだ。こうした使い方もBlackBerryならではだろう。
安藤氏も笠井氏も、8707hのバッテリーの“持ち”については、非常に高く評価している。カタログスペックでは連続待ち受け時間400時間、連続通話時間300分(ともに音声のみ使用時でかつGSM利用時)をうたう同端末だが、実際に2〜3日充電しなくても安心して使い続けられるという。専用のホルスターにしまうと自動的にパワーセーブモードに切り替わる機能もBlackBerryデバイスの省電力化に大きく貢献しているはずだ。
最後に、安藤氏にBlackBerryの導入効果をたずねると「社としての意志決定が迅速になった」という。BlackBerryの導入効果は、思った以上に大きかったようだ。
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