インテル、超小型・低消費電力CPU「Atom」でモバイル市場を狙う
同社ウルトラモビリティ事業部フェロー&チーフ・アーキテクトのティッキー・タッカー氏は、「現在のインターネット利用はモバイルデバイスへ変化してきている。今回、Atomを投入したのは、モバイルデバイスでもPCと同等のコンテンツを実現できるようにするためだ」とし、さらに「2009〜2010年にはより小型のスマートフォン向けプラットフォームを提供する予定だ」と語った。
Atomは世界最小のトランジスタで製造された同社最小のプロセッサ。ダイサイズ25mm2にHi-kメタル・ゲート採用の45nmプロセスで4,700万個のトランジスタを集積する。同氏によれば「このトランジスタはバクテリアよりも44倍小さく、爪の上に450,000個設置できる。髪の毛なら2,000個を設置可能」と説明した。開発コード名は「Silverthorne(シルバーソーン)」および「Diamondville(ダイアモンドビル)」。また、Atomと低消費電力のグラフィック統合チップセットや無線などを組みあわせたプラットフォーム「Menlow(メンロー)」は「Centrino Atom」になる。
なお、Atom搭載のウルトラモバイルPCは、3月4日にドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT 2008」で展示。松下電器産業の頑丈設計ノートPC「TOUGHBOOK(タフブック)」シリーズの新モデルで、液晶は5.6型タッチパネルを採用、片手で持てる小型サイズと1kgを切る軽量化を実現している。
TDP(熱電力設計)は、新しい省電力ステート「Deep Power Down(C6)」を採用し最小0.6、最大2.4Wを実現。Core 2 Duoの35Wと比較して大幅な省電力化を可能にした。CPUの電圧を極限にまで落とすことができ、アイドル時の消費電力を0Wに限りなく近づけることができる。同CPUは、デバイス起動時間の90%がアイドル状態でC6ステートに落ちるため、平均消費電力を200mW以下に抑えることが可能だ。また、16ステージのパイプラインにより、動作クロックを最大1.8GHzまで高めることができ3W以下では最速となる。
さらに同氏によると、「ノースブリッジとサウスブリッジを一枚のチップに統合。システム・コントローラー・ハブにより電力管理やPCとの互換性を行い、PCI-EやUSB2.0による接続など豊富な拡張性を持つ。グラフィックス機能の強化で、1080iや720pのHDコンテンツの再生にも対応する」とのことだ。
IA(インテル アーキテクチャー)の利点については、アプリケーションの高い互換性をあげた。同氏は「IAと比較すると、ARMデバイス向けの最新Adobe Flashは3〜4ヵ月遅れてリリースされ、完全な互換性もあるわけではない」とし、「インターネットの互換性において検証したところ、Webページの表示ではARMベースのデバイスにおいて100を超えるエラーを出す結果もあった。IA Linux MIDではそれが20以下に抑えられ、より高い互換性を示している」と語った。
2009〜2010年にリリース予定のMenlow後継プラットフォーム「Moorestown(ムーアズタウン)」は、CPUやGPU、メモリコントローラ、ビデオデコーダとエンコーダを実装するプロセッサチップ「Lincroft:リンクロフト)」と5つのI/Oコントローラを搭載する新設計ハブチップ「Langwell(ラングウェル)」を組み合わせたものになる。
さらに、WiFiやWiMAX、Bluetooth、GPS機能を持つチップ「Evans Peak」と、液晶のバックライトインバータやオーディオコーデック、電力制御を行なうチップ「PMIC」も統合することでプラットフォームを集積化。アイドル時の消費電力をMenlow以上に抑えることができ、さらなる小型化や駆動時間の延長が可能になる。
同社は今後、第1世代に当たるMenlowでUMPCやポータブルナビゲーション、ポータブルビデオ市場を、第2世代に当たるMooresdtownで携帯ゲーム機やスマートフォンなどの市場をターゲットに製品を投入する。同氏は「『ポケットの中から始まる上質のインターネット体験を提供』をキャッチフレーズに、Centrino AtomとAtomの両ブランドで携帯ゲーム機やスマートフォンなどの製品にもIAを展開していく」とした。
Atomの製品ラインアップは以下のとおり。
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