TIとMIT、電力効率が最大10倍に向上したマイクロチップを共同開発〜体内移植用の医療機器などに貢献
MITの卒業生であるJoyce Kwong、MITのAnantha Chandrakasan教授、コンピュータサイエンスの大学院生のYogesh RamadassおよびNaveen Vermaらが、このプロジェクトを推進してきた。TIからはMarkus Koesler、Korbinian Huber、Hans Moormannがプロジェクトに参画し、共同研究チームとなった。Chandrakasan教授の説明によると、エネルギー効率を向上させる鍵は、通常よりはるかに低い電圧レベルでチップ上の回路を動作させる方法を見つけることで、新デザインによるチップはわずか0.3Vで動作する(既存の最新チップの多くは1V前後)。また、電圧値を下げるDC/DCコンバータを、外付けではなく、同一チップ上に集積した。メモリーやロジックの再設計とDC/DCコンバータの集積を組み合わせることにより、包括的なSoCソリューションが実現したとのこと。
ちなみに、チームにとって大きな課題の1つだったのは、チップ製造時に生じがちな「ばらつき」をなくすことだったという。
体内の移植用医療機器などの特殊なアプリケーションでは、人体の体温や動きのような「周囲エネルギー」のみで動作可能になるレベルまで、消費電力を低く抑えることが求められており、教授は、「このデザインを採用した民生向けのアプリケーションが、さまざまな分野で5年以内に入手可能になる」と見込んでいるとのこと。
今後は、BAN(ボディ・エリアネットワーク、人体の近傍を通信範囲とした無線通信によるネットワーク)やBSN(ボディ・センサー・ネットワーク、人体に装着または体内に移植した機器群による無線通信のネットワーク)なども視野に入れて、さらなる開発が進むだろう。
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