SGIのSaaS事業はコンテンツ重視の「CaaS」をめざす
■モバイルユースのセキュリティを確保−DesktopVPN
日本SGIのDesktopVPNは、インターネットを介して離れた場所のPCを操作できるSaaS型のリモートアクセスサービスだ。自宅や会社にあるPCの画面を外出先のPCに表示し、あたかも手元にPCがあるかのように操作できる。こうしたVPNサービスはTELNET接続タイプや映像配信型などいくつか存在するが、DesktopVPNの特長は中継システムとしてメディアエクスチェンジiDCを用意したことだ。一般にVPN接続ソフトウェアを導入する場合は、固定IPの設定あるいは動的IPを特定するためのトンネル化など、専門的な知識が必要になる。また、こうしたVPNサービスに対応したアクセスプロバイダーでなければ使用できない。
しかし、日本SGIではこれらのVPN接続の難易度を解決するためにiDCを使っている。iDCの中継システムが接続元と接続先の情報を管理することで、ややこしい設定作業、接続操作をiDCが肩代わりしてくれる。森田氏はデモンストレーションを行い、1分ほどで設定を完了し、リモートPCのワードやパワーポイントのファイルを開き、修正し、閉じるという一連の操作を披露した。その様子はスタンドアロンのデスクトップPCに対するものとまったく変わらなかった。
iDCでは送受信データをSSL-VPN通信やRSA1024bitで暗号化してセキュリティを確保。また、リモートPCからクライアントへは画面を送るだけで、データのダウンロードを一切行わない。クライアントはキーボードやマウスなどの操作の指示を送信するだけ。したがって、一切の処理はリモートPC側で完結する。この仕様は個人情報管理をはじめとする企業の情報を守るために有効だ。森田氏は「高速化、定額化があたりまえになったモバイル環境にとって、このセキュリティ対策なら安心できる」と語った。また、「高性能なiDCを利用するシステムだが、SaaS型で提供するために低コストで利用できる」と説明し、「自前でVPNを構築するよりもDesktopVPNのほうが簡単、安心、低コストだ」とアピールした。
■スーパーのチラシやテレビで実用化されている−VizImpress
もうひとつのSaaS事業はVizImpressのWeb配信版として提供される「ViZCast」だ。
まずVizImpressとはなにか。森田氏は「ひとことで言うとプレゼンテーションをおもしろくするシステム」と説明した。会場スクリーンにはルービックキューブのような黒い6面体が現れ、マウス操作に合わせてクルクルと回転している。6面体の各面には複数の画面が貼り付けられているが、これらは単なるテクスチャではなく動画や静止画である。6面体のひとつの面を指定すると画面いっぱいに表示され、そこには各画面が動いている。さらに画面を指定するとそれが拡大表示される。まさに日本SGIが得意とする画像ソリューションであり、SGIのグラフィックツールやワークステーションのデモに見える。
ところがこれはグラフィックを見せるためのデモではなく、プレゼンテーションの素材だという。VizImpressは、かつてはCGクリエイターが高価な機材で作っていたグラフィカルなコンテンツを、プレゼンテーションスライドを作成する要領で誰でも簡単に作成できるツールなのだ。コンテンツの編集には「VizImpress enVision」というソフトウェア、コンテンツの表示には「VizImpress enLighten」というソフトウェアを使用する。
実はこのシステムは多くの人々が目撃している。朝の情報番組で司会者が大きなディスプレイを指で操作し、新聞記事をめくったりズームしたりしてみせている。実はこれがVizImpressを使用したシステムだ。PDFではファイルサイズが大きく、拡大しても画像の表示がぼやけてしまう。しかしVizImpressでは大きな印刷物を自由自在に操作できる。しかも画像だけではなく動画をはめ込むんで動かせるし、拡大すれば全画面でハイビジョンの映像が再生される。CGの専門職でなくてもこれだけのプレゼンができる。
ViZCastは、VizImpressのポテンシャルをWeb配信に応用したシステムだ。こちらもすでに実用化されている。最近、大手スーパーマーケットや量販店のWebサイトで広告チラシを閲覧できるシステムが採用されているが、これがViZCastによるものだ。VizImpressで閲覧に使用するVizImpress enLightenのかわりにFlashを使っている。既存の印刷物をWeb配信型コンテンツに作り替えて活用するシステムである。SaaSモデルとしては日本SGIがWebコンテンツ化と配信サービスを請け負う。印刷会社がチラシを作り、スーパーマーケットなどクライアントは自社のWebサイトにViZCastの配信を組み込むという仕組みだ。
印刷物をWebで表示するサービスにはPDFがもっとも使われている。しかしスーパーのチラシ大になるとPDFではファイルが大きくなり扱いにくい。ViZCastではスムーズな表示が可能でズームも自在。また、パンフレットなど冊子のWeb化ではページの切り替えにめくるというアニメーション効果も加えられる。さらに重要な機能として、再生した場合に、どの部分がもっとも表示されたか、ズームされたポイントはどこかという情報を記録し、クライアントにフィードバックできることだ。クライアントはユーザーがもっとも注目している商品が何か、どの価格に反応しているかなどを把握でき、販売戦略に活かせる。
森田氏は「お金を銀行に預けるように、コンテンツも預けて活用する時代になった」と、コンテンツそのものの価値に注目した。「日本SGIのSaaS事業はソフトウェアの提供に留まらず、コンテンツの作成や預かり、活用もサービスとして提供していく」つまり「Software as a Serviceから、Contents as a Service、つまりCaaSという考え方で事業に取り組む」とまとめた。
注目ニュース
インテルは31日に、新しいインテルItaniumプロセッサ 9100番台製品を発表、販売を開始した。6種類のデュアルコア、および1種類のシングルコアの7製品となっている。
日本SGI、メディアエクスチェンジ(MEX)、ソフトイーサの3社は18日、日本SGIがあらたに提供するSaaSサービスの第1弾として、ソフトイーサが開発したセキュアなリモートアクセスソフトを利用した...
オムニサイソフトウエア、エクスレイヤー、日本SGI、メディアエクスチェンジの4社は8月2日に、共同出資により新会社「グラフィ株式会社」を設立した。
日本SGIは14日、注目を集めているSaaS(Software as a Service)事業を9月から開始と発表した。
ライブドアは20日、保有するメディアエクスチェンジ(MEX)株式の一部を日本SGIに2007年1月31日付で売却すると発表した。売却額は31億4,779万円。
日本電気(NEC)は13日、自然災害や事故発生時などの緊急時に、ホワイトボード上に書いた文字や絵を読み取り、ネットワークで連携しながら、災害情報や指示事項のリアルタイムな収集・共有を支援する「UNI...
アドビシステムズ(アドビ)と日本SGI(SGI)は26日、企業向けにPCと電話による遠隔会議ソリューションの提供を開始すると発表した。
日本電気(NEC)は9日、フジテレビジョンにおいて、映像コンテンツの効率的な管理・利用を可能とするデジタルアーカイブシステムを構築したと発表した。
特集
- ├日本SGI、モジュラー型ストレージ製品の新シリーズ「SGI Modular InfiniteStorage」発売
- ├日本SGI、毎週金曜日を在宅勤務に
- └日本SGI、“MAID技術”を採用した新ディスクアレイ製品シリーズ「SGI COPAN 400」発売
- ├企業向けスマートデバイスのセキュリティサービスをパートナーと推進(トレンドマイクロ)
- ├IIJ、ISPやSaaS事業者向けにインフラのOEM提供を開始
- └NTTデータ ジェトロニクス、SaaS型モバイル端末管理サービスを提供開始

























