産総研、赤外線を使ってアスベストを溶融・無害化する技術を開発
近年、大きな社会問題となっているアスベスト(石綿)だが、毒性の本質は繊維状の形態にある。そのためこれを確実に消失させるための溶融処理技術が期待されていた。一方で溶融させるには、鉄が溶融する温度に匹敵する1500以上の高温が必要であるため、大型でエネルギー利用効率も低い溶融処理炉を利用する方法しかなかった。また添加剤を使用することにより1500以下でアスベストの繊維状形態を溶融・破壊する研究も進められているが実用化には至っていなかった。
この新技術は、回転だ円型の点集光型赤外線反射鏡を備えた加熱装置を用い、集光部を壁などの処理するアスベスト面に一致させ、わずか数秒で1500以上に昇温させることにより、飛散性アスベスト含有材を溶融するもの。これにより、壁・天井などに吹き付けられた飛散性のアスベスト含有材を、剥離することなく、現場で溶融無害化処理ができる。
産総研エレクトロニクス研究部門では、高温での金属酸化物の結晶成長技術の開発を進めてきた。2004年2月にはルビーをも溶かす2000以上の高温を実現する簡便な赤外線加熱装置を開発している。この赤外線加熱技術がアスベスト処理に役立つのではないかと考え、基盤となる技術開発が行われたとのこと。
現在は実験室内の小規模処理装置であるが、今後は大面積を処理できる装置の開発を行っていく予定となっている。なお今回の成果は、1月25日に産総研つくばセンターで開催される「TXテクノロジー・ショーケース・イン・ツクバ2008」に出展される予定だ。
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