イー・アクセス、アッカ株主へ委任状の呼びかけ
同社のホームページには、イー・アクセスが16日発表した、アッカに対する経営陣の交代に関する議案の背景や理由、同社が推す取締役の情報、そして委任状の用紙やQ&Aなどがダウンロードできるようになっている。
委任状に選任されている取締役7名のうち、外部取締役3名を除く全員はイー・アクセスの執行役員や本部長クラスの人間だ。小畑至弘氏は、同社のCTOであり通信事業の技術面のエキスパートである。大坂宗弘氏は同ADSL事業の営業本部副本部長で、サービス、事業開発などの経験とノウハウがある。エリック・ガン氏はゴールドマン・サックスからイー・アクセスに移り同社の上場と黒字化に貢献した経営のプロである。石田雅之氏は、人事・法務・調達など管理業務の専門家だ。外取締役は、アッカの株主を事実上代表する立場であり経営監視の意味からも再任をお願いするとしている。
この議案は、アッカの現経営陣のうち社外取締役3名を除く経営陣の退陣と、イー・アクセスからの役員を選任するというものだ。アッカの株価低迷と2期連続の減収減益が見込まれることから、筆頭株主であるイー・アクセスとして事態を打開し、アッカの企業価値を高めるための措置としている。17日の段階でイー・アクセスのアッカに対する株式保有率はおよそ13%だが、広報部によれば、追加の株の買い増しによってアッカを子会社化する考えはないと明確に否定した。あくまで、投資先企業の企業価値を高めるため、筆頭株主としての議決権の行使だとのことだ。
また、買収や子会社化の意図はないとしても、実質イー・アクセスの役員による実効支配になるのでは、との質問に対しては、アッカの経営にはそれなりの影響力を行使することにはなるが、自社の経営ノウハウや手法を効果的に適用するための意思決定だとした。
なお、イー・アクセスがアッカの筆頭株主であることが判明したのは、15日付けのアッカの発表の時点である。それ以前はNTTコミュニケーションズが筆頭株主であったが、異動後にNTTコミュニケーションズの保有株式数に変動はないので、イー・アクセスは市場などからアッカの株を調達下と思われる。この一連の動きに対して、NTTコミュニケーションズは、「一連の動きについて、アッカ、イー・アクセス両社は、競合関係にある会社とみなしている。委任状を含めて今後の対応は、まずアッカの対応や出方をみてから判断する。」としている。
イー・アクセスはアッカを買収したり吸収したりする意図はないとしているが、実効支配の感はぬぐえない。株主として純粋に投資先への権利行使というのも一応の説得力はあるが、ともにDSL事業をドメインに掲げる企業だ。DSL市場シェアという両社の戦略要素を排除した見方がしにくい部分もある。また、その反面、NTTのNGNやWiMAXサービスが2009年、2010年と現実のものとなりつつある。DSL陣営として仲間割れやシェア争いをしている状況ではないはずだ。それでも強硬手段ともとれる戦略(アッカの平成18年度決算は減収減益だが、赤字決算ではない)をとったことは、それだけ悠長に議論や交渉している時間がないということかもしれない。
しかし、ADSL市場は減っているとはいえネットユーザーの49%を占める多数派だ。FTTHの契約数の伸びが鈍っている現在、あと5年〜10年は存続してもおかしくない技術であり市場だ。株主だけでなくユーザーにとって納得のいく意思決定を期待したい。
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