【CES 2008 Vol.18】ワゴナーGM会長、自動運転ビジョンへの参加を呼びかける
リック・ワゴナー氏は、コンセプトカー『VOLT』に乗って、CESの基調講演ステージに登場した。「クルマは、いわば『洗練された家電製品』であり、自動車業界は、家電業界と一緒に歩んできたとも言える。古くは、カーラジオから始まり、カーナビ、エアバック、エンジンコントロール、スタビリティコントロール、最近では、テレマティクスなど、多くの家電製品がクルマに搭載されている。」と、これまでのエレクトロニクスとの歩みを紹介した。
■ドライバーに安心を与える機能『OnStar』
「GMが提供するOnStarは、今や、命を守る機能となってきている。このOn Starは、GMの11車種に搭載されている。現在、820万人の加入者がおり、1700の衝突検知実績がある。衝突で反応するので、事故調査に繋がるような多くの情報を得られるようになっている。さらに、事故を解析して、どのような状況で事故が起きやすいのかデータを収集することで、今後の事故防止に繋げられる。」という。
例えばGPSを使った盗難車の発見機能では、OnStarでは盗難車のドライバーに警告を出して遠隔で減速させる機能があり、危険なカーチェイスを避けて盗まれた車を安全に取り戻すことができる。アメリカでは盗難車追跡によるカーチェイスで年間約3万件の事故が起きているという。
OnStarは昨年の11月には中国での展開を発表していると紹介した。
■安全性の向上
クルマ同士がコミュニケーションすることによって、車間距離を関知し、衝突を防ぐ「V2V(Vehicle to Vehicle)」と呼ばれる技術がある。これは、GPSとトランスポンダ(衛星の電波中継機器)システムを組み合わせている。
GMは、カーネギーメロン大学と協力して無人走行の研究を進めている。正式名称は、「Sophisticated Automatic Vehicle」で、BOSS号と呼ばれるシボレー『タホ』ベースのロボットカーは、DARPA(The Defense Advanced Research Projects Agency=米国国防総省高等研究計画局)主催による無人ロボットカーのレース「DARPAアーバン・チャレンジ」では55マイル(約89km)を4時間以内で走った実績がある。また、車線を変えたり、高速道路を乗り降りしたほか、砂漠や都心部での走行も実証済みという。将来、メールを送ったり、ビデオを見ながら安全に運転ができるようになるという。
リック・ワゴナー氏は、「この無人走行の研究は、コンシューマエレクトロニクス業界に革命をもたらすものであり、コンシューマエレクトロニクス業界も参加して進めていくべきだ」とCES会場で自動運転研究への参加を呼びかけた。
■環境保全への試み
「近年の石油の高騰」や、「燃料を石油だけに依存できないという危機感」、「CO2の削減」などの課題に対し、GMでは、さまざまな燃料を採用している。燃料は、持続的な供給が可能で、よりクリーンなものであるべき、とリック・ワゴナー氏は主張する。
GMでは『FLEX FUEL』とよぶエタノール85%の燃料でも走るエンジンの普及はすでに250万台の実績があり、これを2012年までにGM車の50%に搭載すると宣言。
『E-FLEX』は冒頭のコンセプトカー『VOLT』にも利用されている、プラグインハイブリッドや燃料電池車にフレキシブルに対応するプラットフォームの名称。VOLTの紹介のあとに、自走して登場したのはキャデラック『PROVOQ』。E-FLEXのを採用した水素燃料電池車である。1つの水素タンクで300マイル走行し、以前の水素燃料電池モデルより30%パワーアップしている。
最後にリック・ワゴナー氏は、「クルマは、コンピュータのようになってきている。エレクトロニクスは、クルマの環境・安全に貢献している。エレクトロニクスと連携することで、クルマは、よりクリーンで安全に、そしてエキサイティングになるだろう。」と締めくくった。
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