【かぐや】定常運用に移行し本格的な全球観測へ——「三日地球」ハイビジョン画像も公開

2007年12月25日(火) 16時38分
クリティカルフェーズ終了後に撮影されたハイビジョン映像(アポロ17号着陸地点付近の晴れの海)の画像
クリティカルフェーズ終了後に撮影されたハイビジョン映像(アポロ17号着陸地点付近の晴れの海)
上記写真にアポロの着陸地点付近を図示したものの画像
上記写真にアポロの着陸地点付近を図示したもの
 「かぐや」は10月18日に高度約100kmの周回軌道に投入され、搭載機器の初期機能の確認作業を2か月にわたって実施していた。15種類の計測項目のうち2つについて所期の性能がでていないものがあるが、ほぼ計画通りの確認結果が得られ、予定されている10か月間の観測も可能との判断で、定常運用への移行を決定した。

 2つの計測機器については、定常運用への引継ぎ事項として順次対策をとりながら改善、運用していく予定となるが、その2つの計測機器は、蛍光X線分光計(XRS)と粒子線計測器(CPS)だ。このうちXRSは、予定していた4つのCCDでの計測はノイズが大きく所期の性能が得られない可能性があるとのことで、当面は1つのCCDでの運用を行う。これにより、水平解像度が40kmから20kmへ半減するが、得られるデータそのものには問題はない。引き続きノイズの原因解析と低減処理を検討していくとしている。CPSについては、回路の一部が高温になると高エネルギー粒子の検出が困難になるという問題が発生しているが、これも電源のON/OFFや外部の環境条件(日向、日陰など)によって計測は可能とのことで、これも原因と対策を検討しながらの運用となる。

 対策方法としては、受信データのノイズ除去処理や他衛星からのデータ補間によっても可能だそうだ。

 定常運用では、およそ10か月にわたり月を周回しながら全域の観測を続ける。その意味では今後「かぐや」の活動は地道な観測とデータ収集になるが、これからの観測がむしろ本番である。「かぐや」には燃料がまだ残っているので、10か月後も継続して月の観測を続ける可能性はゼロではないとしながらも、中国の衛星のように火星軌道へ再投入ということはないとしている。

 なお、上記の写真は今回新たに公開されたハイビジョンカメラの映像で、アポロ17号着陸地点付近の映像だ。また南極付近での三日月ならぬ三日地球の出のなど合計4本の動画がJAXAのホームページにアップされている。
《中尾真二》
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