【ニュース解説】広帯域無線アクセスシステム事業者、各社の今後は?
事前報道やそれに関連した要望書の提出など、波乱のうちに決定した感のある広域無線アクセスシステム(BWA)事業者の認定免許は、次世代PHS方式を提案したウィルコムとWiMAX方式を提案したワイヤレスブロードバンド企画(KDDI陣営)に決定した。電波監理審議会の会見資料によれば、この2社の計画どおりにサービス展開が可能な点、十分なカバーエリア、事業のための財務基盤などが評価された形だ。
サービスエリアや事業計画については、それぞれの既存通信事業における単純なカバー率だけでなく、新しいサービスをどう展開していけるか、どんな技術を持っているかも重視されたものと思われる。KDDI陣営は、多数の関連論文や学会への貢献、他社より先行していた基礎実験などが有利に働き、ウィルコムは次世代PHSという独自方式のため比較対象がないという点が高評価につながったのかもしれない。財務基盤については、資本規模など単純な数字だけでなく、既存設備の効率的な利用も考慮されたものと思われ、ウィルコムにとっても不利な条件にはならなかったようだ。
これを受け、KDDI陣営は、2009年2月28日をサービス開始目標に計画を進めていくとしている。ウィルコムは、ホームページ上に提出プランの概要を公開しているが、2009年10月にはサービス開始を目指す(試験運用は2009年4月)。
逆に選に漏れた形になったNTTドコモ・アッカ連合とソフトバンク・イーアクセス連合の今後はどうなるのだろうか。NTTドコモは、事前に免許取得が条件であったためアッカ・ワイヤレスへの出資は取りやめ、どのような形でBWAサービスを展開していくかは現在のところ未定であり、これから検討していくという。アッカ・ネットワークスはBWAについてはインフラ事業からMVNOなどの付加価値サービス事業への転換を行うとしている。アッカ・ワイヤレスは、現時点では存続させる。
オープンワイヤレスネットワークは、20日の要望書提出の記者会見とは若干トーンの変わったコメント(誠に遺憾である)をだしているが、今後、オープンワイヤレスネットワークとしてBWA市場にどう係っていくのか、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、イー・アクセスなどが独自に展開するのかは未定だ。ただ、20日の会見で両者が述べていたように、基本はMVNOによるビジネスモデルになるだろう。
BWAの認定事業者は決定した。認定に際して行われた評価ポイントなども公開された資料からは合理的な判断ともとれるが、内定情報が11月の段階で漏れるなど若干の課題も残っている。電波監理審議会が配布した発表資料のように詳細な審査基準の評価検討が行われているなら、なぜ早い段階で内定といった情報が漏れたのか。また、要望書にあるようにMVNOへの公正な競争やユーザー視点に立った市場形成の担保はどのようにされるのか。認定を受けた2社は、その権利を利権として与えられたのではなく、責任を負わされたという気概で事業を推進してほしいと切に望む。
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