IC内の配線間を真空にして電気を35%速く流し、消費電力を15%削減できる技術

2007年5月9日(水) 19時16分
マイクロプロセッサの断面図の画像
マイクロプロセッサの断面図
真空ギャップ技術を用いて試作されたPOWER6プロセッサーの画像
真空ギャップ技術を用いて試作されたPOWER6プロセッサー
 米IBMは現地時間3日、IC内の配線間を真空にする技術を開発し、2009年に工場に導入しサーバ向けプロセッサを製造すると発表した。現在の技術と比較すると、電気を35%速く流し、消費電力を15%削減できるとしている。

 現在のICにおいては、配線間はガラス繊維などの絶縁体で囲んでいるが、配線の精細化が進むにつれて、微量の電気が流れることが問題になる。これが、電気エネルギーの減損や吸収、発熱、データ通信速度の低下につながっている。今回発表された製造技術では、絶縁体に代わり真空を用いて解決している。真空は究極の絶縁体だとしており、同社では「ムーアの法則で2世代分に相当する配線性能の向上を一気にもたらします」としている。

 またこの製造技術では、貝殻や雪の結晶片、歯のエナメル質を作り出す自然界のパターン形成プロセスを用いているのが特徴。300ミリのウエハー全体に、20ナノ程度の穴を数兆個も規則的に形成。この穴を真空にすることで、絶縁が作れるようになる。

 なお、標準的なCMOSの製造ラインにおいては、製造の中断などを行わずに導入できるとしている。
《安達崇徳》
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