NECなど3者、「量子コンピュータ」の実現に近づく量子アルゴリズム実行が可能な回路技術を開発

2007年5月7日(月) 19時32分
量子コンピュータ概念図の画像
量子コンピュータ概念図
磁束量子ビットの電子顕微鏡写真と立体模式図の画像
磁束量子ビットの電子顕微鏡写真と立体模式図
結合が可変な2ビット量子演算回路の画像
結合が可変な2ビット量子演算回路
量子演算プロトコルの演算ステップと演算結果の画像
量子演算プロトコルの演算ステップと演算結果
 日本電気(NEC)、科学技術振興機構(JST)、理化学研究所(理研)の3者は7日、ビット間結合を制御可能な量子ビットの実証に世界で初めて成功したと発表した。なお、本研究成果の詳細は、米国の科学雑誌「Science」(5月4日号)に掲載される。
 今回の成果は、新たに開発された「可変式結合回路」による、量子ビット間の結合制御で、この開発により量子アルゴリズムに従った量子演算が初めて可能となり、量子コンピュータの実現に向けて大きな前進になるとしている。
 発表によると、今回の実験では結合用量子ビットの動作原理・回路設計・物理配置などの結合制御コンセプトの実証を目指し、2つの量子ビットと1つの結合制御用量子ビットからなる最小単位の回路で、ビット間結合を制御しながら量子ビットの制御を実現できたという。3者はこれについて、「本成果により、量子アルゴリズムに従った量子演算が初めて可能となり、固体素子量子コンピュータの領域において、世界に先駆けてデバイスレベルから回路レベルへの質的なステップアップを果たしたと言えます」と発表している。

 なお今後は、今回作製した量子回路構成方法をもとに、量子ビットの集積化と量子アルゴリズムの実証に取り組み、量子コンピュータの実現を目指していくとしている。
 量子コンピュータとは、電子の量子力学的状態を利用して演算する次世代コンピュータ。現在の古典物理学に基づく計算機では効率的に解けないような特定の計算でも、効率的に解くことが可能であると理論的に示されており、例えば現在では数千年もかかるような数百桁の数字の素因数分解が数十秒にして解けるようになると期待されている。
《村上幸治》
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