【NAB 2007 Vol.9】YouTubeはユーザを繋げる「チューブ」だ——NAB2007スーパーセッション

2007年4月18日(水) 21時55分
Google Vice President David Eun氏の画像
Google Vice President David Eun氏
YouChoose 2008(次期大統領候補者の選挙運動用特設サイト)の紹介の画像
YouChoose 2008(次期大統領候補者の選挙運動用特設サイト)の紹介
顧客、流通、製造、開発などの流れを循環させるエコシステムの一部に動画サイトを利用する取り組みもあるの画像
顧客、流通、製造、開発などの流れを循環させるエコシステムの一部に動画サイトを利用する取り組みもある
YouTubeは、コンテンツ配信のシンジケートの構成要員になることもできるの画像
YouTubeは、コンテンツ配信のシンジケートの構成要員になることもできる
視聴者がグローバルであることも強みのひとつの画像
視聴者がグローバルであることも強みのひとつ
CBSとの連携の画像
CBSとの連携
コカコーラとの連携の画像
コカコーラとの連携
グーグルの考えるロングテールの画像
グーグルの考えるロングテール
胴体部分に相当する企業の画像
胴体部分に相当する企業
Googleの考える新しいエコシステムの画像
Googleの考える新しいエコシステム
 「ブロードバンドビデオの大革命」と題して、NAB2007の基調講演の中でスーパーセッションが催された。GoogleのVice PresidentのDavid Eun氏よりGoogleの動画に対する取り組みの講演の模様をお伝えする。

 まず同氏は、Googleのミッションについて、「Googleは、世界中の情報を整理し、常に情報にアクセスしやく、役に立つものでなくてはならない。」と語る。Googleのサービスの1つであるGoogle Videoは、買収したYouTubeと競合してしまうように見えるが、「Google VideoとYouTubeは、お互いに補完的な関係にあり、Google Videoは、ビデオを検索する機能を提供し、YouTubeは、ユーザのコミュニティを形成するためのプラットフォームにしたい。こられは相乗効果を生み出す。」という。

 さらに、「すでにYouTubeには、多くの人がコンテンツを作って視聴するというコミュニティができあがっているが、これからはユーザの声に耳を傾けながらサービスを向上していく。」と、常に新たな試みに挑戦していく姿勢を強調していた。

 新たな試みの事例を講演内容の順を追ってみてみよう。

 まず、「YouChoose 2008」という次期大統領選の候補者の選挙運動ための特設サイトを例にとり、過去にテレビという新しいメディアが影響を与えたように、今、YouTubeが大きな影響を与える存在になっている。政治が関わってくるとビデオクリップの信憑性が重要になってくるとした。

 続いて、エコシステム構築に活用する例を紹介した。これは、全編見たいならこちらのサイトへ、という誘導を通じてYouTubeをエコシステムの一部とする取り組みだ。YouTubeが入り口となって、YouTubeからコンテンツオーナーのサイトへ誘導するという使い方もできるのだ。

 さらに、ビデオコンテンツの配信シンジケートとしてのYouTubeの取り組みも紹介された。「コンテンツホルダと連携して、高品質のビデオを広告付きでYouTubeに掲載した試みは、表現(ビデオの形式やサイズ、時間など)のバランスを調査するのに役立ち、コンテンツホルダに対してもフィードバックができた。」という。そしてNBA(バスケットボール協会)や放送局のCBSと、それぞれが持つコンテンツ配信の連携は、世界中のファンや視聴者に対して24時間のサービスが提供できることを紹介した。その他、コカコーラとの連携についても触れ、課題としては収益モデルを模索中であるということだそうだ。

 Web2.0が提唱され、ロングテールという言葉を聞くようになって久しいが、Googleではロングテールを「頭(メジャー部分)と尻尾(マイナー部分)は、オンライン上ならコストは同じ。伝統的なモデルとして、メジャー部分に集約すると、スライドの赤線のようなグラフを描く。新しいモデルとして、胴体(torso)の部分は、ヒットを繰り返すことで再浮上できる。」と捉えているとした。ちなみに、胴体の部分は「高級ブランド」のコンテンツで、次の右のスライドにあるような企業がそれにあたる。

 また、ちょっとした面白ビデオでページビューを稼ぐコンテンツもある。「A different place」は、蹴ったサッカーボールがゴールの角にあたって、ちょうどゴールキーパーの頭にぶつかるというコンテンツで950万視聴、「Where The H--l Is Matt」は、マットという男性が世界各地(海の中に潜ってまで)で同じダンスを踊っているふざけたコンテンツが700万視聴あったという。これらは、言語や文化を超えて訴えかけてくるものがある。まさにグローバルなコンテンツといえる。

 このように、YouTubeは「ユーザ同士を繋げるチューブ」であり、Googleは、新しいエコシステムとして「ユーザと広告主とコンテンツを結ぶ」役割を果たそうとしている。

 最後に、同氏はGoogleの信念として、

 1.著作権を侵害しない(違法コンテンツの削除は惜しまない)
 2.コンテンツを検索させるかどうかはコンテンツ所有者に選ばせる
 3.パートナー契約を結ぶことによって、コンテンツ所有者に利益を還元する

の3つを挙げ、利益の還元については、2006年度第4四半期にパートナー企業に広告収入から10億ドル支払い、サービス開始時からの累計は71億7千万ドルに上るということを強調し、一人勝ちするのではなく、あくまで利益を循環させて業界全体を盛り上げるポジションであることを強調していた。
《工藤めぐみ(クーレボ)》
注目の情報[PR]

注目ニュース

【NAB 2007 Vol.6】マイクロソフトのSilverlight、さっそくブースでデモ中!

  米マイクロソフトの新しい動画技術「Silverlight」についてはすでに発表されているがこのSilverlightのデモが、会期中のNAB 2007のマイクロソフトのブースで行われている。

【NAB 2007 Vol.4】米アドビ システムズ、ラスベガスからライブ放送

 米アドビ システムズは米国ラスベガスで開催されているNAB 2007のプレゼンテーションをライブ配信すると発表した。

【NAB 2007 Vol.3】アップル、ビデオ制作の生産性を向上させるサーバ製品「Final Cut Serever」を発表

 米アップルは15日(現地時間)、ラスベガスで開催中のNAB 2007で「Final Cut Serever」を発表した。

米マイクロソフト、ブラウザベースの新しい動画技術を発表

 4月15日(現地時間)、米マイクロソフトはラスベガスで開催されているNAB 2007(National Association of Broadcasters Conference)の会場で、新しい...

【NAB 2007 Vol.2】グラスバレー、H.264 HDのエンコードを従来のおよそ半分の帯域で実現

 仏トムソン傘下の映像機器メーカーのグラスバレーは14日(現地時間)、NAB 2007のプレス向けカンファレンスの中で自社取り組みや製品に関する発表を行った。

RSS

特集・連載

ブロードバンド/無線LANスポット検索

ブロードバンド検索
-

ピックアップフォト