【NET&COM2007 Vol.8】光化とIP化するだけではない——NTTグループのNGN構想
まず、NGNについては大手町に開設したNGNショールーム「NOTE」にて具体的なサービスやデモを体験できるので、概要はすべてそこで見ることができると前置きしつつ、そのNGNへの取り組みについて各論や課題などを語り始めた。NTTの考えるNGNには4つの柱があるという。ひとつはQoSに代表される品質、次にセキュリティ、信頼性、そしてオープンなインターフェイスの4つだ。
そして、これらを実現させるためのトラフィック制御や管理は、基本的にはエッジノードと呼ばれる端末や、ホストがネットワークに接続される境界部分で行う。ネットワーク部分にNGNの実体ともいえる独自のIPネットワークとユーザプロトコルを透過的につなぐネットワークの2本立てになる。これによって、オープンなインターフェイスや経済性を確保しつつ、セキュリティや信頼性を両立させようというわけだ。
NTTでは、昨年のひかり電話のトラブルによって信頼性の重要性を再認識したという。また、サイバーテロ対策などグローバルな取り組みも期待されている。しかし、市場に対してはオープンでなければならない。これらを細かく制御するには、オールIP化によるNGNは必然ともいえる。
ところで、写真の図は、ネットワークコントロールにおけるトラフィック制御を、分散ネットワーク(インターネット)式に図示したものと、集中管理ネットワーク(PSTNなど)式に図示したものだ。この図を良く見るとわかるのだが、ノードでのトラフィック制御はどちらでも効率よくできるのだが、迂回経路の制御や輻輳制御は集中管理ネットワークでは難しいことになる。このことからもNTTはNGNにおける信頼性確保にもIP化は急務となっていることが伺える。
さて、講演では、このようにオープンなネットワークと管理されたネットワークのそれぞれの長所を担保したNGNを社会インフラとして普及させたいと述べたが、同時にキャリア主導のNGNに対してオープンなインターネットやサービスが阻害されるのではないかという世間の懸念も理解しているとも語った。NTTとしては、NGNは市民のコミュニケーションインフラだけでなく、情報家電とのコラボレーション、IP再放送、医療・介護・福祉、デジタルデバイド問題、テロ対策など技術だけの問題ではないとの認識を示し、そのためには、他業種、行政などとの協調は不可欠で、キャリア単体で進められる計画でもないとした。光ファイバーとIP化による固定電話網の再編、活性化や収益の改善といった、技術的、企業経営的な側面だけでとらえられがちだが、実際にはそんな単純な問題ではないということだろう。
実際、NTTはコラボレーションスキームとして、オープンであること(前述のエッジノードのインターフェイス仕様は公開されている)、サービス料金を含んだ公共性を意識しているとのことだ。たしかに、NGNのメリットをいくら強調しても、料金が高ければだれも利用しないだろう。また、フレッツユーザーでなければ利用できないというのでも困る。今回の基調講演のようにNGNが発展していくことを期待すると同時に、ユーザーとして注視していきたい。
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