【WiMAX World USA 2006 Vol.2】インテル、Rosedale2チップセットを公開
Maloney氏は、このような急激なWiMAXの普及を実現した要因として、インターネットそのものの力をあげた。過去10年でインターネットの利用者は携帯電話の2倍の速さで増加しており、技術の進歩によって新しい利用形態が次々に生まれているという。例えば近年ではYouTubeに代表されるように、ビデオストリーミングの利用が急増しており、2006年に提供されているビデオストリーム数はすでに300億本に達しているが、これは十分なブロードバンド回線とノートPCの処理速度の向上によって生まれた新しい利用形態だという。また企業アプリケーションはWeb2.0に向かっており、ますますブロードバンドへのニーズが高まっているという。事実、同社内ではブロードバンド化によってEmailの添付ファイル数が拡大しており、10Mbyte以上のファイルが添付されたEmailの数は過去2年間で4倍に達している。さらに、ここから波及する重要なポイントとして、先進国におけるデジタルディバイドの解消を示した。米国では年収格差によってブロードバンドの普及率には実に3倍のひらきがあり、社会的な格差を固定する大きな要因になっているはずだと言う。
さて、このように重要なWiMAXであるが、今後の本格的な普及を促進するには、2つのハードルが待ち構えているという。ひとつは早急にCPEの価格を引き下げることだ。90年代、ニッチで特殊な有線ブロードバンドサービスだったADSLは、日本のソフトバンクが大量発注によってADSLモデムの価格低減に成功したことから、爆発的な普及が始まったという。WiMAXもこのように量産を前提とした端末価格の引き下げを行わなければならないという。2つ目はグローバルなローミング手段の提供である。現在、空港でWi-Fiホットスポットサービスを利用するには、契約用の画面に表示されるおおよそ17もの項目を埋める必要があるという。このような作業は無線ブロードバンドの利用者をマニアに限定し、多くの潜在ユーザーをがっかりさせることになるため、ローミングによる自動認証の提供を早急に行わなければならないとした。
なお講演では、同社のRosedale2チップセットを使った世界初のライブデモが行われた他、スペインのTelefonicaがWiMAXサービスに参入し、手始めに300の基地局をアーバンエリアに、1000の基地局をルーラルエリアに展開することや、2007年第一四半期にはインテルがOEM供給用の基地局用のWiMAXベースバンドカードを発売することなど、同社が着々とすすめる商品展開についてもアピールが行われていた。
明らかに、WiMAX市場のリーダーである同社の考えはポイントをつかんだものであり、今後も同社を中心にWiMAXのビジネスが進んでいくことを印象付けるものであった。同社の言いたいことはこうだろう。いつでもどこでもブロードバンド環境を提供できるWiMAXは、インターネット利用者と利用形態の拡大に応えることができる、親和性の高いネットワーク技術である。そしてその普及展開には、そろそろ費用対効果を重視するユーザー層の取り込みを考えて、安くて使いやすいサービスを用意しないといけないということだろう。
(干場久仁雄(株)IRIユビテック シニアコンサルタント)
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