シャープ亀山工場、自家発電で電力総使用料の約3分の1を賄う環境配慮型工場を実現 | RBB TODAY
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シャープ亀山工場、自家発電で電力総使用料の約3分の1を賄う環境配慮型工場を実現

IT・デジタル テレビ
 シャープは、世界最大の2,160×2,460mmの第8世代マザーガラスを採用した亀山第2工場を本年8月から稼働させ、10月1日の52V型/46V型液晶テレビの世界同時発売に向けて作業を進めている。

 亀山工場は、環境負荷を極限まで低減することを目的とした環境配慮性の高い「スーパーグリーンファクトリー」。世界最大の太陽光発電システムと日本最大級の燃料電池システム、コ・ジェネレーションシステムといった自家発電システムを工場内に持つ「大規模分散型異種電源の一体化」によるエネルギー供給体制を導入し、亀山工場全体の電力総使用料の約3分の1を賄うほか、CO2排出量を従来から約40%削減し、製造工程排水のリサイクルを100%達成するなど世界最先端レベルの環境配慮型工場を実現した。

 今回新たに設置された太陽光発電システムは、既存の60kWに加え、甲子園球場のグラウンド3つ分に相当する総面積約7,000平方メートル、5,150kW分。設置場所は、大型液晶テレビ工場、物流棟、および第2工場の屋上と壁面。発電した電器は工場内の照明用電力のほか、液晶テレビ組み立て工程などで使用される。また、新開発のシースルータイプの薄膜太陽電池を第2工場のカーテンウォールに設置することにより、適度な遮光性で日射熱をカットして冷房用電力負荷を軽減するほか、変換効率を従来の7%から11%と約1.5倍に引き上げた。

 日本最大級の総発電量1,000kWとなる発電量250kWの熔解炭酸塩型燃料電池を4台設置し、すべてを工場内の生産用動力として利用するほか、発熱に伴う排熱も蒸気として回収する。夜間や雨の日でも発電できるため、太陽光発電とハイブリッド化して電気の安定供給を計っている。

 コ・ジェネレーションシステムでは、LNG(液化天然ガス)を利用して第1工場では約12,000kW、第2工場では約14,400kWを自家発電し、さらにその際に発生する排熱を冷暖房や急騰などに利用している。また、LNGは鈴鹿市にあるガス会社から亀山市までの約17kmを直結したパイプラインから直接供給されるため、燃料輸送車の往復による排ガスも発生しない仕組みとなっている。

 業界最大級の「工程排水リサイクルシステム」では、マザーガラスの洗浄などに使われた製造工程排水をバイオ技術を利用した排水回収プラントで回収し、第1工場では1日最大1万5,300t、第2工場では1日1万3,000tを浄化して再利用する。また、ピートモスを利用した生物脱臭により臭いを分解し、水処理工程で発生する有機汚泥も最新の減容化設備を導入して排出量を抑制している。

 さらに第2工場では、震度7レベルの地震にも耐えられる「制震ダンパーシステム」や落雷などによる瞬間的な電圧低下から生産設備を守る世界最大の1万kW容量の「超伝導電力貯蔵装置」の導入など自然災害から受ける影響を最小限に抑え、24時間安定操業が可能なシステムを構築した。
《富永ジュン》
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