イーブックと京セラグループ、マンガを海外に配信・販売する新サービス
スタート時に配信する作品は、「あした天気になあれ」(ちばてつや)、「海のオーロラ」(里中満智子)、「ベルサイユのばら」(池田理代子)、「鬼太郎大全集」(水木しげる)など、合計30タイトル・100冊を用意する。価格は1冊5.8〜8.8シンガポールドル。
年内には配信作品を300冊まで増やし、2年間で2億円の売上高を目指す。
サービスのブランド名は、「イーブック・イニシアティブ・ジャパン・アジア」。今回のサービスでは日本国内に配信サーバを置き、コンテンツデータを購入者に直接配信する。いったんダウンロードしたコンテンツは、継続してユーザのパソコンで読める。
販売にあたっては専用のリーダー(閲覧ソフト)を用意する。リーダーは日本語、中国語、英語に対応しており、ふりがなや背表紙などもすべて表示される。
また独自に画像圧縮・暗号化した電子書籍フォーマットを採用し、購入した書籍データを別のパソコンにコピーしても閲覧できないようにする。決済方法はクレジットカードのほか、将来的には携帯電話の課金システムにも対応させる予定だ。
協業の仕分けについては、EBIは日本国内に置くデータサーバの運営や新規書籍の許諾交渉、書籍制作などを行う。一方、KCCSとKCAPは現地販売サイトの運営と課金システムを使った代金回収のほか、現地におけるカスタマーサポートも行う。
9月12日には記者発表会が行われ、EBIの鈴木雄介社長らが登壇した。各氏のコメントは以下のとおり。
◆KCCS 森田直行社長
「日本の出版物は日本語を読める人だけをターゲットにしている。海外では『翻訳出版』という特殊な形でしか展開できていない。この事業はシンガポールからスタートし、やがては各国で展開したい」
◆KCAP 河之口達也取締役
「シンガポールは公用語が英語だが、多くの中華系の方は中国語を使っている。世界最先端のIT社会を実現した国であり、政府のITに対する姿勢も積極的だ。今後、この事業はインド、インドネシア、台湾、香港などでも展開する」
◆マンガ家 里中満智子
「翻訳・流通その他の問題があり、日本のマンガは世界に行き渡っていない。海賊版が出てしまうのは経験済みだが、電子書籍は紙媒体より著作権保護がしっかりしている。マンガで日本人の感性を世界の人々に伝えたい」
◆経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 高砂義行課長補佐
「日本のコンテンツ市場の規模は、約13.3兆円ある(2004年)。コンテンツ産業の波及効果は高く、たとえばポケモンはマンガだけでなくゲームその他の多くの分野で展開されている。仮にマンガが世界中に配信されれば、日本のコンテンツの世界展開に役立つだろう」
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