ネットが起こす流通革命〜SNS上でアマのアーティストを「発掘」する新会社が設立
モバイル&メディア事業を展開するインデックスと、田辺エージェンシーの子会社であるティーズ音楽出版、アクの強い出版戦略で一目置かれる幻冬舎、およびラジオ番組制作などを行うTBSラジオ&コミュニケーションズが合弁で設立した新会社「インデックスキャスティング」がそれだ。
新会社はまず、インディーズのアーティストが楽曲を発表するための専門SNSを立ち上げる。そしてSNS(ソーシャルネットワークサービス)を通じて曲を聴き、ファンになった人たちとのコミュニケーションの場を提供する。もしも「あなた」がいい曲を書いたとき、このSNS上で作品を公開できるわけである。
次にSNSを通じて発掘したインディーズの楽曲を編集し、ポッドキャスティングで番組としても配信する。イメージとしては、ラジオのDJみたいなものだ。
新会社の出資比率57.9%のインデックスによれば、「可能ならいわゆる有名アーティストも取り上げるが、新しく展開するSNSとポッドキャスティングのコンセプトは『アーティストが自己表現できる場』を作ること。つまりほとんどがインディーズになるだろう」としている。
新会社は発掘したアーティストの楽曲を、当面、インターネットによるダウンロード販売で配信していく。また将来的には音楽だけでなく、文学やコミック、写真、映像などさまざまなジャンルに対象を広げ、「才能の発掘」と「活発なコンテンツ流通」のためのシステム作りをめざす。
従来、才能のあるアーティストが世に出るためには、レコード会社に認められる必要があった。あるいは文学やアートなどのジャンルでも、まず出版社に認められなければ作品は一般コンシューマの手に届かなかった。
実際にコンシューマが聞いたり読んだりしたときに「おもしろい」と感じる作品であっても、こうした「問屋さん」を介さなければ世に出ることはできない──。ここに大きな「垣根」があった。
だがいま、この垣根を壊しつつあるのがインターネットだ。インターネットは「産地直送の芸術作品」を、直接コンシューマのもとに届けるツールになりつつある。
たとえばいまやブログでは、プロよりいい文章を書くアマチュアがどんどん文章を発表している。音楽にしても理屈は同じだ。同種の音楽サイトとしてはこのほかにも、SNS的要素を取り入れたWebコミュニケーション・サービス「wacca」がある。この流れはおそらく3年後には、大きなうねりになる予感がする。
本当にいい作品が、「問屋さん」を介さず直接コンシューマの手に届く世界。インターネットは芸術全般における「発掘作業」の分野で、まさに革命を起こそうとしている。
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