Yahoo!BB、予約中のコロケーションリソースを990万回線分返却。ADSL事業に黒字化のめどは立つか | RBB TODAY

Yahoo!BB、予約中のコロケーションリソースを990万回線分返却。ADSL事業に黒字化のめどは立つか

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 Yahoo!BBの実施企業であるビー・ビー・テクノロジー(BBTec)は24日、Yahoo!BB用に予約していたNTT局舎内の「コロケーションリソース」のうち、約990万回線分のリソース(スペースおよび電源、MDFタップ)を返却する手続きを取った。NTT東西のコロケーションに関する約款が改定され、予約リソースに対して料金の徴収が始まることに対応したもの。保留していたリソースの膨大さもさることながら、最近のソフトバンクグループの動きからは、Yahoo!BB事業そのものの継続性にも不安が感じられるという人もいるだろう。

 ReachDSLの採用でユーザの「距離」へのニーズにいち早くこたえたBBTecだが、速度についてはイー・アクセスやアッカ・ネットワークスなど12Mbpsサービスを打ち出すAnnexC陣営に後れをとり、新規加入者の獲得にはやや不利な状態にある。低価格を最大の売りにスタートしたYahoo!BBは、当初より孫社長が「200万〜300万ユーザあたりでビジネスとしていい感じになる」と言い切っていたほど薄利多売を前提としている上、収益の柱と期待していた有料コンテンツについてもユーザへの普及が進まない状況。これでさらに保留したままのコロケーションリソースについても料金の徴収が始まれば、収支には大きな痛手となる。コロケーションリソースの予約は事業計画に基づくものだとして、大量留保への批判にも強気の姿勢を見せ続けていたBBTecも、コロケーションリソースの返却手続きを取らざるを得なくなったわけだ。

 Yahoo!BBは現在、ADSLインターネット接続サービス「Yahoo!BB」と、無料/低料金IP電話サービス「BBフォン」を両輪としてユーザを拡大しているが、構築済みのバックボーンを使って低コストで提供できるとしていたBBフォンも、一部局舎ではBBフォンサービスを提供するためのバックボーン増強が必要になるなど、コスト面で不安材料が出てきている。

 しかし、「Yahoo!BB」スタート時にも「BBフォン」スタート時にも、ある程度の資金面でのネガティブ要素は問題にならないという見方があった。ソフトバンクはグループ各社の株式公開によって多額の資金を調達できるため、「当初の採算性を度外視して、短期間に圧倒的なシェアを獲得する」という無茶な図式もソフトバンクでなら成立するかもしれないと思われていたからだ。

 ただ、このソフトバンクの資金力に赤信号がともっている。

 ソフトバンクは、2002年3月期の決算発表で887億円の連結最終赤字となったが、むしろ、クラビットのナスダック・ジャパン上場直後の子会社化、イー・トレード証券への行政処分、あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)の株式売却計画などにより、株式市場や債券市場でソフトバンクグループへの不信感が高まっていることの方が問題だ。金融庁からの指示であおぞら銀行の株式売却がおこなえないとなると、なおさら財務体質の改善(および新規社債発行などによる資金調達)は難しくなるだろう。

 もちろん通信事業には多額の初期投資が必要で、当初赤字になるのは当然のこと。ましてBBTecは日本最大の「全国をカバーするADSLプロバイダ」であり、さまざまのネガティブな要素は加入者数の増加で補えるものと思われる。しかし、それには加入者(ユーザ)の信頼とともに、金融・資本市場からの信頼も取り戻すことが必要となる。そのどちらかが欠けるようなことになれば、最終的にはYahoo!BBサービスの売却といった事態にもなりかねない。
《RBB TODAY》

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