北海道岩見沢市が、公立図書館で電子書籍の閲覧サービスを開始。まずは、岩波文庫の古典109点から | RBB TODAY

北海道岩見沢市が、公立図書館で電子書籍の閲覧サービスを開始。まずは、岩波文庫の古典109点から

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 6月上旬、日本で初めての電子書籍の閲覧サービスを提供する図書館が誕生する。サービスを提供するのは北海道岩見沢市立図書館。本図書館では、著作権をクリアした岩波文庫(岩波書店)の電子書籍が、館内の7台のPCで閲覧できる。第1次として提供されるのは、森鴎外、夏目漱石、宮沢賢治などの古典109点。また、平凡社の東洋文庫についてもサービス提供を検討しているという。

 このプロジェクトは、電子書籍のダウンロード販売を行っているイーブック イニシアティブ ジャパン(以下イーブック)が書籍を電子化し、ゲームソフトなどを発売している地元北海道のシステム開発会社のハドソンがブックリーダー「Hybrid Vector Quantization(HVQ)」の提供とネットワーク・システム開発を担当し実現した。プロジェクトにおける岩波書店や平凡社の役割は、著作権管理および利用料の配分となる。

 岩見沢市立図書館が本プロジェクトの第1弾となったのは、岩見沢市内の小・中学校や児童館、病院、官公庁などの主要施設に張り巡らされている光ファイバネットワーク環境が、電子書籍の閲覧サービスというサービスにマッチしていたことが大きな要因といえそうだ。イーブックの提供する電子書籍はすべて画像で提供されるため、1冊あたり10〜20Mbpsの容量を持つ巨大なコンテンツである。しかし、岩見沢市の場合、岩見沢市自治体ネットワークセンターをコアに、図書館とネットワークセンターを155MbpsのATMで接続し、さらに館内を100MbpsイーサネットでLAN接続している。今後、同市では図書館以外の施設や一般家庭でのサービス展開も視野に入れているという。

 電子書籍としてリソースを提供する岩波書店の大塚信一氏(代表取締役)は、今回のプロジェクトに対して「書籍をデータ化するというビジネスの申し入れは多いが、いずれも合意にいたっていない。今回の話に協力したのは、地方の図書館に古典をという企画内容がすばらしいものだったからだ」と、利潤をあげることが目的ではないとコメントしている。さらに、「今回のように、地方を活性化するような企画であれば積極的に関わりたい」と、今後も電子書籍の展開を図る考えを示した。

 一方、平凡社は著作権問題を解決しておらず、図書館での閲覧サービスがはじまるまでに東洋文庫を提供できるかどうか微妙だという。

 岩見沢市以外の公共施設でも、イーブックは本プロジェクト同様のサービス提供を予定しているようだ。また、提供するコンテンツも、古典だけではなく他ジャンルへも拡張する準備があるという。

 なお、本プロジェクトでは、利用する岩見沢市は固定の年額利用料(利用回数や書籍数によって変動する)を支払うことになる。コンテンツを提供する側のイーブックと岩波書店は、サーバにカウントされている書籍ごとの閲覧回数に比例して著者に印税を支払うことになる。岩見沢市の利用料の支払いは、年間の図書購入費から支出されるという。
《RBB TODAY》

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