2km?2.5km?1.5Mから8M ADSLサービスに乗り換えるポイントは「距離」 | RBB TODAY
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2km?2.5km?1.5Mから8M ADSLサービスに乗り換えるポイントは「距離」

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 G.dmtによる8MタイプのADSLサービスが各社からアナウンスされるようになって、かれこれ半年。従来から.G.lite AnnexCによる1.5MタイプのADSLサービスを提供していた事業者もほとんどが8Mサービスの提供を開始、これにともない、1.5Mのみのサービスメニューから、1.5Mと8Mの両方を提供するサービスメニュー、ないし8Mのみのメニューへと移行しつつある。

 驚くことに、両方を提供している事業者では8Mサービスと1.5Mサービスに1,000円程度の価格差しかない。ヘビーユーザであれば、「それだったら8Mだよねー」ということになるわけだが、事はそう簡単ではない。8M(G.dmt)は1.5M(G.lite)よりも「遠距離の通信に弱い」のである。

 といっても、8Mが1.5Mよりも下回る距離があるわけではなく、距離が伸びた場合の8Mの速度低下が1.5Mと比べて大きく、線路長(電話線の長さ)が3kmを超えると1.5Mも8Mも差がなくなってしまう(参考資料:イー・アクセスのフィールドデータ)。つまり、距離によっては1.5Mと8Mの差額がまるまる無駄になるというわけだ。

 1,000円高くてもいいや、というなら迷わず8Mを導入すればよいが、「遅いんだったら1.5Mコースで安い方がいいな」という場合に決断するのは簡単ではない。線路長や、電話線に影響を与えるノイズ源の有無などが関係してくるからだ。最終的には、ADSLでいつも言われるように「引いてみないとわからない」ということになる。

 とはいえ、参考になる情報も最近は公開され始めている。電話局と自宅の直線距離である。間に鉄道がある場合など、迂回のために直線距離に比べて線路長が大幅に伸びることもあるが、だいたいは直線距離と線路長は相関関係があるようだ。アッカ・ネットワークスもNTT西日本も、直線距離2km以内の場合に8Mbpsを勧めるとしており、これについてはAnnexC陣営はほぼ共通と見てよさそうだ。直線距離測定のページは以下のようなものがある。

アッカ:http://www.acca.ne.jp/order/chk/index.html
ASAHIネット:http://www.asahi-net.or.jp/service/adsl/adsl-a/area.htm
(※ASAHIネットはアッカのDBを使用)
NTT西日本:http://www.ntt-west.co.jp/ipnet/ip/adsl/kyori/tel.html

 なお、NTT西日本は8Mフレッツの発表リリース(2001/11/7発表)で「線路距離2.5km以内」としているが、実際には線路距離についてはほぼ非公開情報で利用者が事前に把握するのは困難な数字。線路距離2.5kmというのは、先述のイー・アクセスの資料で見ると8Mタイプが2Mbps弱、1.5Mタイプが1Mbps弱(いずれもISDN干渉あり)となる距離である。

 距離が伸びると通信速度の低下以外の問題も出てくる。リンク状態が不安定となってリトレーニングが頻発、「切断〜再接続」が繰り返されることがある。モデムは「なるべく高速なモードで接続しよう」としてぎりぎりの速度でネゴシエーションするが、『運良く』超高速でネゴシエーションできてもマージンがないためノイズがちょっと乗るだけで切れてしまうのである。こうなると、接続は途切れ途切れになり、モデムは昼夜を問わずカチカチとリレー音を鳴らすことになる。

 こうしたリトレーニングの頻発に対しては、モデムの設定(局側ないし加入者側のいずれか)で、わざと上限速度を低く設定し、多少のノイズが乗っても切断されないようにするという対処方法がとられる。(参考:メルコADSLモデムの暫定ファームウェアについてのニュース

 ADSLは、距離やノイズの影響を受けやすいサービスであり、利用者もある程度、事前に下調べを行った方がよい。また、昔のアナログモデムと同様、モデムの「規格上の最大速度」と、「実際の通信速度」が大きく違う場合があることも、あらかじめ覚悟しておく必要がある。これから8M ADSLを申し込むなら、少なくとも局と自宅の直線距離を調べて、期待できる速度を把握することをおすすめする。
《RBB TODAY》
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